アメリカでの就職・転職活動【2026年最新動向】

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アメリカでの就職・転職活動の最新動向

アメリカでの就職活動や転職活動では、ビザなど滞在ステータスや語学力の心配だったり、日本とは異なるアメリカならではの就職活動の流れがあったりと、日本での就職や転職よりもハードルが上がります。この記事では、アメリカでの就職や転職に詳しい専門家に2026年の最新動向や基礎知識を伺います。

アメリカでの就職・転職活動は、何から始めればいいのでしょうか? まず、仕事探しの前に2026年最新の市場動向や、キャリアの考え方をおさらいしましょう。アメリカで就職・転職活動支援や人材紹介派遣サービスを行うLeverages U.S. Inc.にアドバイスを聞きました。

取材協力・監修:Leverages U.S. Inc.

結城颯

Sales Manager
結城颯さん
北村克

Recruiting Manager
北村克さん
浜崎日菜子

Vice President
浜崎日菜子さん

公式サイト:job.us.leveragescareer.com/ja/

アメリカでの就職・転職活動の基礎知識

アメリカでは、日本と異なり、終身雇用も定期採用も一般的ではありません。効果的なレジュメ(履歴書)の書き方や、面接でのポイント、効率の良い就職活動のコツ、また、留学生のプラクティカルトレーニングなど、アメリカでの就職・転職活動の基礎知識を最初に紹介します。

効果的なレジュメ作成とアメリカでの仕事探し

アメリカで就職・転職活動を始める場合、まずはレジュメ(履歴書)を作成し、自分の職歴、経歴、スキルを整理してみましょう。転職エージェントに登録する場合も、最初にレジュメを作っておくと、エージェントとの面談や仕事探しがスムーズになります。なお、アメリカ国内の日系企業に応募する際も、英語のレジュメを提出します。

レジュメの作成と並行して、仕事探しも開始。アメリカでの仕事探しの方法としては、企業のウェブサイトを直接調べる、求人サイトに登録する、転職エージェントに登録するなどの方法があります。また、アメリカではリファラル採用(社員が友人知人を自社に推薦すること)も広く行われているので、周りの人に聞いてみるのも手です。

応募する企業が決まったら、レジュメの志望動機や経歴などをその会社に合わせたものにブラッシュアップしてから提出します。レジュメにはこれまでのキャリアやアチーブメントなど自分らしいオリジナリティーを入れましょう。ただし、情報を詰め込み過ぎず、職歴やキーワードをJob Description(職務記述書)にマッチさせ、太字や細字を使い分けて見やすいレジュメを心掛けましょう。

オンライン面接とリアル面接の注意点

書類選考に通ったら面接です。企業や職種にもよりますが、面接・プレゼン・テストなどは、合計で3~5回ほど行われるのがアメリカでは一般的です。最近では、一次面接をオンラインで行うことが増えています。

オンライン面接のログイン時に慌ててしまうと、コンピューターに慣れていない人という印象を与えてしまうので、面接のリンクが届いたら、事前にアクセスをして問題なく使えそうかを確認しましょう。また、オンライン面接を受けるときは静かな場所を選び、ラップトップやデスクトップを使って落ち着いて行える時間帯に設定しましょう。屋外やカフェなど周りがうるさい場所にいたり、スマホを持ったままで画面が揺れていたりするとマイナスの評価につながります。

リアルの面接では、「礼儀正しいビジネスパーソン」として振る舞いましょう。ドアの開け閉め、名刺のもらい方、椅子の座り方など、ちょっとした所作が印象を左右するので動きの見直しを。また、アメリカの企業だからとラフ過ぎる服装は禁物です。「ビジネスカジュアルで」などと指定がない限り、スーツで出かけましょう。きちんとした格好にマイナス評価を下す会社はありませんが、カジュアル過ぎるとマイナス評価になることもあります。

また、自己アピールをしなければと、1聞かれて100答えたり、1人で5分も話し続けたり、面接官の質問が終わる前に話し始めたりしないように注意しましょう。企業は「会社の名前を背負ってこの応募者を客さまの前に出せるのか?」を見ています。目を見て話さないなど基本的なコミュニケーションに問題があれば落とされてしまうので気を付けましょう。志望動機については、Job Descriptionを読み込み、そこに対してどれだけ自分の経験やスキルが生かせるかを話します。さらにこんなチャレンジをしてみたいと前向きな話を盛り込めると理想的です。

もし、勤務時間や勤務形態など、就業規定に関わる点で応募先の条件に沿えない可能性がある場合は、早めに伝えるのが誠実。エージェントを通した就職活動の場合は、エージェントが必要と判断すれば企業に推薦する時点で伝えることがあります。

仮内定から正式内定へ

企業から給与や労働条件が書かれたOffer Letter(採用通知書)が届き、それにサインをして返送すると内定が成立します。

アメリカでは一般的に応募者のサインを受け取った企業は、正式内定へ向けてPre-employment Checkと呼ばれる調査に入ります。企業や職種によって異なりますが、犯罪歴、ドラッグテスト、最終学歴、健康診断、クレジットヒストリーなどの確認に加え、Reference Checkを行うこともあります。最近のReference Checkは、在籍期間や職種の確認のみの場合もあります。応募者は企業に求められたらリファレンス先として現在の勤務先の上司や同僚など3人ほどの名前と連絡先を挙げ、またリファレンスをお願いしたい人にもあらかじめ企業から連絡があると言い伝えておきます。これらが終わると、正式内定となり、入社日の調整に入ります。

※「ライトハウス全米版・2026年春夏の増刊号」より抜粋。

2026年最新のアメリカでの就職や転職の動向は?

アメリカでの就職・転職の最新動向

2025年1月から始まったトランプ政権。移民の雇用市場やアメリカでの就職・転職にどのような影響を与えているのでしょうか。Leverages U.S. Inc.の北村克さんはこのように分析します。

「トランプ大統領の就任以降、多くの企業はビザサポートに消極的になってしまいました。急に政策が変わったり、大統領令が出たりすることを恐れ、最初からビザサポートをしないということです。また、関税の問題で厳しい状況に置かれた企業も多く、ビジネスが苦戦している中で、採用を控える企業であったり、そうした企業から転職を考える方もいて、その点は2026年も注視が必要と考えます」。

また、在米日系企業の人材採用の動向として、同じくLeverages U.S. Inc.の浜崎日菜子さんは「円安の影響で日系企業では日本から駐在員を送ることが経済的に負担になり、現地で採用したいというニーズが増えてきています」と補足します。日系企業には明るい兆候もあり「近年、日本食の人気が非常に出てきて、レストランなど外食産業にとどまらず、家庭で作る人も増えたことから、食品関係、中でもセールス関係のポジションは非常にニーズが高まっています。さらに全米で日英バイリンガル経理も非常にニーズが高く、CPAの資格を持っていなくても、経理アシスタントやマネージャー職でも人材が不足しています。2026年もこの動きは続くと思います」と解説します。

とはいえ、日系企業は現地米系企業に比べ、給与が抑え気味という印象が持たれがちです。実際のところはどうでしょうか。北村さんは「確かに数年前まで、比較的抑えた時給や給与の日系企業もあったのですが、最近の物価上昇に伴い、全体的に上がっている印象があります。給与を落とすと良い人材は来ないと企業側も理解しているのでしょう。また、採用までのスピードが非常に早い企業と、様子見と分かれています」と最近の傾向を解説します。

アメリカでどのようにキャリアを築くべきか

では、アメリカで就職や転職を考えた時、どのようにキャリアを構築すれば良いでしょうか。北村さんは理想として「できるだけ一貫性があるキャリアの構築をおすすめします。時折、最初がアカウンティング、次がHR、その次がセールスとキャリアがバラバラな方がいるのですが、アカウンティングアシスタントで入ったら、次はアカウンティングスペシャリスト、その次はアカウンティングマネージャーと、一貫性がある方がアメリカでの就職・転職もしやすくなります」と話します。

しかし、収入やワークライフバランスを優先した結果、一貫性のあるキャリアとならない場合もあります。浜崎さんは「違う職種や業界に行ったり、同じキャリアで少し年収が下がったり、一旦、横道にそれているように見えても、最終的に自分がどんなゴールを目指すのか、自分のありたい姿を思い描けていれば、自分なりのキャリアを構築できるはずです」とフォローします。

また、本来、どの会社を選ぶか=キャリア構築ではなく、働いて経験を積み、次のステップに進むことがキャリア構築であるべきです。それについて浜崎さんは「日本でも職種別採用が増えてきてはいるものの、日本人は就職・転職活動で『どの会社に入るか』という入り口だけを見てしまいがち。そこで何を得たいのか、どうなりたいかを考えながら会社を探すと、また今までとは違った選択肢が見えてくるかもしれません」と在米日本人へアドバイスをしてくれました。

また、北村さんは最後に「アメリカ流にJob Descriptionを読み込みながら、どんなポジションで何ができるのか、言い換えれば、これから受ける会社ではどんな経験が積めていけるのかを社名以上に重視する、良い意味での利己的さがあるとアメリカでの就職・転職活動はうまくいくかもしれません」と具体的な考え方を教えてくれました。

アメリカ就活の疑問や不安~在米日本人のよくある質問にプロが回答

Leverages U.S. Inc.の浜崎さんと北村さんに、在米日本人が気になるアメリカでの就職・転職活動について教えていただきました。就活のよくある疑問や不安、質問についてQ&A形式で紹介します。

アメリカでの就活、何から始めたらいい?

【浜崎】 アメリカで就職・転職活動を始めるなら、まず英文での履歴書作りがおすすめで、自分の職歴、スキル、経験が整理できます。エージェントに登録する場合も、最初に履歴書の作成をおすすめしています。エージェントは履歴書に沿って、これまでのことや、これからお給料はどれくらいを狙っていきたいかなどを確認しながら、求人を紹介します。

どうすれば次の仕事ってすぐ見つかる?

【北村】 仕事の決まりやすい人は、自己分析ができていて、どんな方向に行きたいとか、こんなことをしたいとか、ゴールがしっかりイメージできていることが多いです。逆に就職・転職が決まりにくい人は、ゴールが見えていなかったり、プライオリティーが見えていなかったりします。例えば、ただ「アメリカで日本語を生かせる仕事をしたい」だけではちょっと漠然とした印象です。

英語力が不安です。

【浜崎】 アプリやAIの普及で、読み書きはある程度カバーできるかもしれません。ですが、電話や、同僚との会話など、スピーキング力やコミュニケーション能力は必須なので磨き続けてほしいです。面接では、これまでどんな仕事を英語でやってきたのかを確認することで英語力を判断されるでしょう。

【北村】 候補者の英語力を判断するのは企業側です。日系企業ではそこそこの英語力で大丈夫なところもありますし、仕事をする中で英語力が伸びることもあります。

ブランクがあるので心配です。

【浜崎】 ブランクから就職するのなら、コンピュータースキルだけはキャッチアップしておきましょう。例えばMOS Excel Expertを受けておくなどです。これまでブランクから就職した例では、ブランク中は子どもの学校でボランティアをしていて、イベントの事務局で予算管理などをしていた方がいました。1、2年のブランクくらいなら、特に気にすることはないかと思います。

【北村】 現在の自分の価値を見極めましょう。子育てが一段落して働きたい方の場合は、家族のバックアップを得てバリバリ働くのか、ある程度勤務時間がフレキシブルなパートタイムの仕事がいいのか、どこまでできるか先にご家族と相談しておくといいと思います。

異業種・異業界への転職は難しい?

【浜崎】 水泳をやっていた人がいきなり野球をやるようなもので難しいですね。でも、ソフトボールをやっていた人が野球に転向するのは水泳より簡単です。つまりソフトボール(前職)で得たスキルをどう次につなげていくかを考えるのが得策です。「キャリアチェンジしたい」という人はいますが、トータルでのチェンジは難しいと思います。

【北村】 転職とキャリアチェンジは縦軸と横軸で考えてみるといいかもしれません。縦軸はマネジメントサイズを大きくしていくキャリアアップ。例えば営業をしていた人が営業マネージャーになり、エリアを拡大するとか、会社の規模を大きくしていく感じです。横軸は営業職のまま業界を変える転職。ただ、縦軸の転職は年収が上がりやすいのですが、横軸の転職はその業界では未経験になるので年収が下がりやすいです。斜め上に転職するキャリアアップを思い描く人が多いのですが、それは難しいので、縦軸か横軸かを戦略的に考えて転職をしていくべきです。ただ、もともと年収の低い業界から年収相場の高い業界への転職の場合は、横軸の転職でも年収が上がることがあります。

英文履歴書の作成で注意することは?

【浜崎】 ChatGPTなど生成AIにレジュメ作りを任せないこと。採用者側は履歴書を見慣れているので、生成AIで作ったものかどうかはすぐに見抜いてしまう人もいます。ある程度は生成AIを頼っても構いませんが、履歴書にはこれまでのキャリアやアチーブメントなどオリジナリティーを入れましょう。また、読みやすさも大切。一説によると、数百もの履歴書を担当者が見る時間は平均6秒*。情報を詰め込み過ぎず、職歴やキーワードをJob Descriptionにマッチさせ、太字や細字を使い分けて見やすい英文履歴書を心掛けましょう。
*“Keeping an eye on recruiter behavior 2018” Boston University The Ladders

理想的な志望動機とは?

【北村】 まず、Job Descriptionを読み込み、そこに対してどれだけ自分の経験やスキルが生かせるかを話します。さらにこんなチャレンジをしてみたいと前向きな話を盛り込めると理想的です。また、その会社のサービスや製品について調べる、競合他社との違いや強みを調べて「御社のこんなところに魅力を感じる」と話すのも大事です。「お給料をアップさせたいから」が志望動機の一番最初にくるのはあまり良い印象を持ってもらえません。

面接で退社理由はなんて言えばいい?

【浜崎】 就職・転職活動において前職・現職についてのネガティブな発言は禁物です。たとえ事実だったとしても「上司がひどい人でした」と言うと、不平不満の多い人のような印象を与えてしまいます。「残業が多過ぎて生活に支障が出た」「お給料が低かった」など客観的な事実は問題ありません。「新しい環境でチャレンジしてみたい」などポジティブに就職・転職理由を話しましょう。

条件の交渉はいつする?言いにくい事情はいつ話す?

【浜崎】 エージェントを通した就活の場合は、エージェントが必要と判断すれば企業に推薦する時点でお伝えすることがあります。勤務時間や勤務形態など、就業規定に関わる点で応募先の条件に沿えない可能性がある場合は、早めに伝えるのが誠実な対応です。

【北村】 「アメリカは交渉の国」「なんでも交渉すべき」と思う人もいますが、実際は給与の交渉がうまくいかずにそこで内定が取り消されてしまうケースもあります。応募時点で条件に満足しているなら、無理に給与交渉をする必要はありません。もし、エージェントを使う場合は、エージェントに相談してみてください。「この会社ならX%くらい提示より上げられるかも」「この会社はこの金額以上の実績はないので難しい」など、現実や相場観を伝えてくれるはずです。求人で提示されている給与に幅がある場合、早い段階で「あなたの場合はXXドルになります」と話があると思います。

アメリカの就活の流れ

アメリカの就活の流れ

アメリカでの就職・転職活動における一般的なステップは以下の通りです。

  • 履歴書の準備:自己分析をして履歴書を作成します。
  • 仕事探し:求人サイトや転職エージェントに登録したり、知人に紹介を依頼するなどして仕事を探します。
  • 応募/書類選考:面接の準備も並行して進めます。
  • 面接/試験:通常3~5回の面談や、プレゼン、テストなどが行われます。
  • 仮内定(Conditional Offer):条件付きでの内定が出ます。
  • Pre-employment check(採用前調査):バックグラウンドチェックやリファレンスチェックが行われます。
  • 正式内定(Formal Offer):Pre-employment checkの結果次第で正式な内定となります。
  • 現職への退職届け:正式内定が出た後、現在の職場に退職の意思を伝えます。
  • 出社初日:就労資格の確認やSSNの提出などの書類を提出します。

※多くの場合、応募から内定までは約1カ月以内 ですが、会社によっては2~3カ月かかることもあります。

アメリカでの就職・転職活動におけるレジュメ作成の5つのポイント

1. 「責任」ではなく「実績」を数字で語る

「~を担当した(Responsible for…)」と書きがちですが、アメリカの企業が知りたいのは「その結果、何が起きたか」です。Action Verb(行動動詞)と具体的な数字を組み合わせることで、貢献度を可視化しましょう。

NG例: 「営業チームのマネジメントを担当」
OK例: 「10名の営業チームを率い、前年比120%の売上目標達成に貢献。新規顧客獲得率を15%向上させた」

2. ATS(採用管理システム)の壁を突破する

アメリカの多くの中堅・大手企業は、AI(ATS)による書類選考を行っています。応募するポジションのJob Descriptionを分析し、そこで使われているキーワードをレジュメ内に自然に盛り込みましょう。過度な装飾や複雑な表組みは、ATSが読み取れず「不採用」判定されるリスクがあるため、できるだけ簡素に書くことが重要です。

3. スキルセットの「断捨離」と「追加」

3年以上前の古いスキルや、今や当たり前となったツール(Word、Excelの基本操作など)にスペースを割き過ぎていないかチェックしましょう。

追加すべきスキル: AIツールや最新の業界特化型ソフトウェアの活用経験、リモートワーク下でのプロジェクト管理能力など。
削除すべきスキル: 既に陳腐化したプログラミング言語や、希望職種に関係のない古い資格など。

4. 「日本とアメリカのギャップ」を埋める

日本的な「謙虚さ」は、アメリカのレジュメでは「自信のなさ」と捉えられかねません。自分の成果を堂々と、かつ客観的に表現することが重要です。また、日本の大学名や企業名を知らないリクルーターのために、「Fortune 500選出企業」や「国内シェア1位の企業」といった補足情報を加えると親切です。

5. 正しい最新情報の確認

電話番号や住所、LinkedInのURLをアップデートし、学歴や職歴は明確に記載しましょう。年月の間違いや、大学中退を卒業したように書くのは、うっかりでも「履歴書詐称」と取られかねません。また、過去の勤務先名の最新の名称や、倒産・廃業などの状況も添えると親切です。

【補足】アメリカ仕様のレジュメ基本フォーマット

デザイン: 気をてらわなくてOK。WordやCanvaなどのテンプレートから使いやすいものを選択しましょう。
分量: 2枚以内にまとめます。
言語: 日系企業に応募する場合でも、英語で提出します。
不要な情報: アメリカの履歴書では、顔写真、生年月日、性別は不要です。

アメリカでの就職・転職を成功させるシチュエーション別攻略法

少し不利なシチュエーション別のアメリカでの就職・転職活動のアドバイスです。ご自身の状況に合わせて参考にしてください。

ブランクあり

アメリカでの就職・転職活動前にパソコンスキルと英会話力は磨いておきましょう。職歴はなくても、ボランティアなど仕事に生かせそうな経験があると採用につながりやすくなります。ブランク中にCPAの資格を取得したとか、QuickBooksの認定資格を取ったなど、資格の取得は強いです。

新卒学生・留学生

卒業してから就活をするのでは遅いですが、早く活動しても面接の後すぐには働けないので、大学卒業の約3カ月前から就職活動を始めるのがいいでしょう。日本と違い、新卒がいきなりフルタイムの正社員に就くのは難しいので、卒業してすぐに正社員になりたい学生は、在学中からインターンやパートタイムで経験を積みましょう。F1ビザの留学生は、要件を満たせば卒業3カ月前からOPTに申請できます。該当する学生はその少し前から大学のインターナショナルオフィスで就活について確認を。学校側がOPTで働けるリストを持っていることもありますし、エージェントによってはOPTを扱うところもあります。

日本でキャリアあり、アメリカでキャリアゼロ

日本と同じ職種、同じ給与レベルがそのままスライドされることは難しいかもしれません。たとえ同業界や同職種でも言語、商習慣、法律や規則も違うので、アメリカでは再スタートと考えて就職活動をした方がスムーズです。ただ、日本で貿易事務をしていた、日本でアメリカ人に営業をしていたような場合だと、比較的スライドがしやすいかもしれません。

駐在員

駐在でアメリカに来た人が、帰任せずアメリカに残りたい場合、帰任命令が出てから就職活動をするのでは、ビザの残りの期限も考えると手遅れになってしまうことが多いです。転職の情報収集も兼ね、早いうちからさまざまな方面にコネクションを作っておきましょう。後にそれが生きることになります。

駐在員の配偶者

滞在期間が決まっているため、長期雇用が前提のポジションへの採用は難しいかもしれませんが、契約期間の決まっている求人があればアメリカでの就職・転職のチャンスです。日本帰国後のキャリア構築を見据え、給与や条件にとらわれず、今、アメリカでやっておくとプラスになりそうな経験に目を向けることをおすすめします。

アメリカでの就職・転職成功者の体験談

1カ月限定の仕事を機に大手ゲーム会社に勤務(一ノ瀬恵美(仮名)/アメリカ・ワシントン州在住)

日系企業で貿易事務をしていましたが、休みが取りにくかったので転職を決意。アメリカの求人検索サイトを通じ、大手ゲーム会社A社で1カ月限定の日英の簡単な翻訳の仕事を得て退職しました。米系企業もいくつか応募したのですが、受かったのはこの1社だけで、当時は「アメリカ市場での自分の強みは日本語なんだろう」と思いました。

A社での勤務中、とある米系人材派遣会社とA社に深いつながりがあると知り、この派遣会社に登録。A社の後は、ゲーム会社B社でパートタイムとして勤務しましたが、出社が必須な上、仕事内容もエントリーレベルでスキルアップや社員登用も見込めず、これからどうすべきか悩みました。B社入社から約半年後、登録していた米系人材派遣会社からA社の面接を受けないかと連絡が来たので受けてオファーをもらいました。短期間ながらA社、B社での経験があったので、声をかけてもらえたのだと思います。現在はA社でゲーム関連グッズの発注書を海外の工場へ向けて作る仕事をしています。日系企業で貿易の流れを知っていたことが、間接的に役立っています。

転職するたびに「前より良い時給で働きたい」と言ってきたので年収は上がり、「会社の保険に入らず夫の保険に入る」と言うと、さらに時給を上げてもらえました。正社員ではなく、人材派遣会社との1年契約を数回つないでいる状態ですが、私の最優先事項は家族との時間なので、フルリモート、フルタイムの現在の仕事はとても気に入っています。

厳しいマニュアルで学び未経験から大手スーパーの社員に就職(井上花子(仮名)/アメリカ・カリフォルニア州在住)

日本食店のサーバーとして7年ほど働いていたのですが、アメリカの大手スーパーで働く日本人の知人から「ベーカリー部門で人が足りない」と声をかけてもらい、チャレンジすることにしました。パン作りは未経験でしたが、社内に厳しいマニュアルがあり、それに沿って仕事をするので初心者でも始められました。

それより心配だったのが英語です。でも、よく使う言葉や決まったフレーズは数カ月で分かるようになりました。また、私の話に耳を傾け、いつでも助けてくれる同僚にも恵まれました。パートタイムで始めた仕事でしたが、半年後には仕事に慣れてきたので、チャンスがあれば正社員になりたいとリーダーに伝え、入社から約1年後に正社員として就職しました。

その後、社内研修を受け、今はケーキのデコレーションの専門職に就いています。大きい会社なので、社内のサポート、福利厚生などが充実しており、以前の職場よりも安心感があります。デコレーションの技術も英語でのコミュニケーションも、まだまだ磨いていきたいです。

円満退社に向けたアドバイス

アメリカでの就職・転職を成功させるには現職の会社の円満退社も重要。「2-week notice(退職の2週間前に勤務先に辞めると伝えること)」はアメリカの法律ではなく慣習ですが、極力守りましょう。企業や職種によっては、もっと早く知らせることが推奨されています。内定後、職場にリファレンスチェックが入ることがあるので、最終日まできちんと勤めましょう。もし、新しい会社に「今すぐ来て」と言われても「2-week noticeで引き継ぎもしたいから待ってほしい」と言えばどの企業も待ってくれるはずなので、慌てて辞めなくて構いません。ただ、同業他社や同職種に転職する場合、情報漏洩の懸念から、退職を伝えた途端に自宅待機を命じられることもあります。

在米日系企業の人事担当、経営者必読!アメリカでの良い人材確保の6カ条

在米日系企業の人事担当者や経営者がアメリカで人材を採用する際に考慮すべきことについても、Leverages U.S. Inc.の結城颯さんに伺いました。

1. 欲しい人材を明確にする

「忙しいから誰か来てほしい」ではなく、事前にJob Descriptionをきちんと作り、どのような人に来てほしいのか期待値を言語化して、社内で共有しましょう。例えば「パソコンがある程度できる人」では曖昧なので、「Excelでマクロを組んでほしい」など、もう一歩具体的に設定します。そうすることで、複数人の採用担当者と事前に目線を合わせることができ、候補者とのミスマッチも防げます。

2. アメリカの市場相場を知る

どのくらいの給与でどのような人が採用できるのか、日系・米系企業での相場感を知りましょう。アメリカでは市場相場10万ドルくらいの求職者に8万ドルのオファーで入社してもらうのはかなり難しくなります。

3. 書類選考で落とし過ぎない

1人だけ面接して1人採用とはなりません。面接は書類上だけでは分からない候補者の魅力を発掘する場です。絞り込み過ぎに気を付けましょう。

4. 良い面接を行う

面接は候補者と企業がマッチングするためのものです。企業にとっては、この候補者はうちの職場に合うか、スキルを持っているかなどの確認の場となります。一方、候補者にとっては企業を見る機会なので「弊社はこんなに良い会社で、あなたがこのポジションに来たら、こんなふうに活躍できると思うのでぜひ来てください」と魅力をアピールしましょう。また、面接官の印象が良ければ会社の印象も良くなります。「この人と一緒に働いてみたい」と思わせるような振る舞いを心がけましょう。

5. スピードで勝負

優秀な人には数社がオファーします。もし、「この人だ!」と思う人がいたら、他社にスピードで負けないよう、迷わず進んでオファーレターを作るなど採用プロセスに進みましょう。

6. ベネフィットを確認し見直す

アメリカではベネフィット(福利厚生)が充実している会社は魅力的です。候補者が内定を2件以上もらった場合、ベネフィットがオファー承諾の分かれ道になります。また、最近は「給与が低くてもフルリモートを希望」という人も多くいます。医療保険、有給の日数、勤務時間の柔軟さやリモート勤務などベネフィットが魅力的になるように見直しましょう。フレックスタイム制やリモート勤務の導入など初期投資をあまりかけないベネフィットの改善方法もあります。

※ライトハウス・カリフォルニア版2026年3月号に掲載の「アメリカ就職・転職AtoZ」の情報を基に作成しています。

アメリカでの就労に必要なビザの種類

アメリカで合法的に就労するには、目的に合ったビザや滞在ステータスの取得が必要です。アメリカでの就職や転職に必要な主なビザの種類が下記です。

ビザ・ステータス 名称 主な対象者・取得条件 有効期間・特徴
H-1Bビザ 専門職・就労ビザ 4年制大学以上の学位、またはそれと同等の実務経験(大学の1年間を3年間の実務経験と換算)を持つ専門職。申請職種が学位や経験に関連し、雇用主が労働市場の平均以上の賃金を支払うことが条件。 通常3年(最長6年まで延長可能)。毎年3月初旬から受付開始、同年10月1日から就労可能。
E-1ビザ 商用・管理職ビザ
(貿易家ビザ)
日米間で貿易・流通を行う日系企業(所有権の50%以上が日本人・日本企業)に勤める管理職、または不可欠な専門的知識を持つ社員。 最長5年(何度でも更新可能)。
E-2ビザ 商用・管理職ビザ
(投資家ビザ)
アメリカに会社を設立し、相当額の投資活動を行う企業投資家や管理職、専門職者。 最長5年単位(何度でも更新可能)。
L-1Aビザ 駐在員ビザ
(経営者・管理職)
過去3年間のうち1年以上、アメリカ国外の同系企業(親会社・子会社・関連会社)で管理職以上に就いている人。 最長7年。
L-1Bビザ 駐在員ビザ
(特殊技術者)
過去3年間のうち1年以上、アメリカ国外の同系企業に勤務した実績がある特殊技術者。 最長5年。
J-1ビザ 交流訪問ビザ
(研修・インターンシップ)
スポンサーとなるアメリカ国内の企業と第三者企業を通じ、トレーニングやインターンシップを行う人。アメリカ国外の4大卒者は日本で1年以上、高卒は5年以上の実務経験があることが好ましい。 有給で最長18カ月の研修が可能。
OPT / CPT
(F-1・M-1ビザ)
学生ビザからの就労許可 【OPT】1年以上就学し、短大、大学、大学院などを卒業した人。
【CPT】F-1ビザで学校から許可を得た人。
【OPT】最長1年(STEM分野は最長3年、M-1は最長6カ月)の実務研修期間。
【CPT】在学中でもパートタイム、休暇中はフルタイムで就労可能。
永住権
(グリーンカード)
移民ビザ(雇用ベース) 申請者の学歴や職歴に応じたカテゴリー(EB-1~EB-3など)で申請。国際的な大企業の管理職(EB-1)、修士以上の学位または4大卒+5年以上の経験(EB-2)、4大卒資格または2年以上の就労経験(EB-3)などが条件。 永住。
※出典:アメリカのビザの種類
※上記は移民法のビザ(一部)について簡単に説明したものです。ビザ取得や申請条件は変更になる可能性があるため、実際の申請に際しては最新の情報を確認し、移民法専門の弁護士に相談してください。

アメリカで就学中の留学生の就労と卒業後の就労

F‒1ビザやM‒1ビザを持っている留学生で1年以上就学した場合、プラクティカルトレーニングという、アメリカ国内での実務研修期間が与えられます(語学学校生には与えられません)。
 
プラクティカルトレーニングは3種類。就学中に就労可能なCurricular Practical TrainingとOptional Practical Training (Pre-Completion) の2種類と、卒業後の就労を対象としたOptional Practical Training (Post-Completion、以下OPT) があります。どれも、職種は学校の専攻分野内に限られます。職種や労働時間などの相談や申請は、学校のインターナショナルオフィスが窓口です。なお、労働に対し賃金を受け取れます。
 
卒業後に得られるOPTの有効期間は、申請書に書く「スタート日」から、365日間(STEMの場合は最高3年、Mビザは最高6カ月)。なお、このスタート日から90日以内に勤務先が決まらない場合、アメリカでの滞在許可を失い、即時の出国を余儀なくされます。ですから、勤務先はできるだけ早く決めておきましょう。
 
監修/瀧法律事務所(www.takilawoffice.com)

※アメリカでの就職・転職には原則としてビザが必要です。アメリカで合法的に就労できるビザをお持ちでない方は、アメリカのJ-1ビザによるインターンシップ制度を活用して渡米する方法もあります。詳しくは「アメリカのJ-1ビザインターンシップとは」をご覧ください。

アメリカでの仕事探しも現地生活情報誌ライトハウスで~エリア別に最新求人情報をご紹介

当サイトを運営するアメリカ現地日本語生活情報誌「ライトハウス」では、アメリカの各エリアの求人情報を紹介しています。アメリカでの就職・転職、仕事探しでは、ぜひ当サイトの求人情報もご利用ください。

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