冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点
冷泉 彰彦
プリンストン日本語学校高等部主任。『Newsweek日本版』コラムニスト。
改めて在外投票制度の見直しを訴える
(2026年3月号掲載) タイトな日程で不便な在外邦人の投票 総務省は、今回の衆院選の期日前投票者数が2701万人を超え国政選挙で過去最多と発表した。 今回の衆院選については、2月の選挙という日程にはさまざまな批判があったが、結果的に56%台という高い投票率となった。これは、有権者が国の方向を決める選挙に高い関心を寄せたことを物語っている。速報によれば、在外 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「改めて在外投票制度の見直しを訴える」の続きを読む
ニッポン初心者へのアドバイス
(2026年2月号掲載) 増え続ける訪日観光客 ルールのシェアで快適に オーバーツーリズム対策で、日本は出国税を値上げ予定。宿泊税の増税も各地で検討されている。 相変わらず日本には外国人旅行者があふれている。ここアメリカからも大勢が日本を目指している。読者の皆さんの周囲でも、同僚や友人、あるいは隣近所の人が日本に観光に行ったとか、日本に興味を持っているという … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「ニッポン初心者へのアドバイス」の続きを読む
静粛マナーが厳しくなった日本
(2026年1月号掲載) 映画館、コンサート厳格に静粛が求められる日本 日本の美術館では、作品について小声で話すことを「マナー違反」と言われることも多々ある。 人が集まれば騒がしくなるのが自然であり、場合によっては静粛を呼びかける必要も起きてくる。例えば、葬儀の席や、入学試験などの会場では、静粛を保つことに異論はないであろう。これに加えて、最近の日本では静粛 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「静粛マナーが厳しくなった日本」の続きを読む
日本で膨らむ一方のデジタル赤字
(2025年12月号掲載) アメリカのデジタルサービスなしでは立ち行かない日本 2026年のWBCは日本、プエルトリコ、アメリカで開催され、準決勝と決勝はフロリダで行われる。 メジャーリーグでの日本人選手の活躍が話題になっているが、彼らを含めたオール日本のベストメンバーを集めて戦う「WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)」が2026年春に迫ってきた。日 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本で膨らむ一方のデジタル赤字」の続きを読む
込山洋一氏の愛した、アムトラック特急
(2025年11月号掲載) 貨物の輸送から発達したアメリカの鉄道 アムトラックの旅を紹介した『大陸縦断 鉄道の旅』特集はこちら。 本誌の創業者、込山洋一氏は惜しくもこの世を去ったが、私にとって彼との最大の思い出はアメリカの「アムトラック特急」に乗っての鉄道旅行について語り合ったことだ。込山氏の笑顔には、日本人特有の鉄道への愛着と、第二の故郷アメリカの広大な大 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「込山洋一氏の愛した、アムトラック特急」の続きを読む
突如、話題になり始めた「外国人問題」
(2025年10月号掲載) あらゆる職場で外国人が増え続ける理由 2024年末、日本の在留外国人は376万8977人。また、24年の外国人観光客は約3687万人だった。 日本では「外国人問題」が急に話題になっている。具体的には、「国は日本人より外国人を優遇している」とか「このままでは、昔の日本ではなくなってしまう」という感覚であり、一言で言えば、ここは日本な … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「突如、話題になり始めた「外国人問題」」の続きを読む
日本でレンタカー運転、国際免許の最新事情
(2025年9月号掲載) 歩行者、自転車、バイクも多い日本の道路。狭い道や狭い駐車場も多い。 増える国際免許取得と外国人ドライバー 日本に一時帰国した場合、アメリカとは違って公的交通機関が発達しているので、クルマの運転は必要がないと考える人が多いかもしれない。けれども、近年大幅に増加している外国人旅行者の場合、国際免許を取って日本へ行く人は増えている。この国 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本でレンタカー運転、国際免許の最新事情」の続きを読む
チップ文化の良し悪しを考える
(2025年8月号掲載) 最近は、店によっては支払いマシンに25%や30%のチップの表示をしてくることもある。 ここ10年で変化しつつあるアメリカのチップ アメリカでは税制改正案が可決成立したが、その中で目玉の一つとされていた「チップ収入の非課税化」が実現した。これは、年間2万5000ドルまでのチップ収入について、連邦税の対象から外すという政策だ。ちなみに、 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「チップ文化の良し悪しを考える」の続きを読む
転売がタブーとされる日本社会
(2025年7月号掲載) 日本では、昨年より米の価格が高騰し、併せて米の転売も問題になっている。 バランスを欠く日本の需要と供給 日本ではイベントチケットや電子機器の新製品について、必要もないのに仕入れて高値で「転売」する「転売ヤー」が横行している。また、その「転売ヤー」に対する社会的な批判は厳しいものがあり、転売を禁止する措置が導入されている。 けれど … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「転売がタブーとされる日本社会」の続きを読む
日本は準英語圏入りできるのか?
(2025年6月号掲載) 日本では2020年より小学3年生から英語が必修化に。5、6年生は週2コマ英語を学んでいる。 観光、映画、SNS… 英語が根付かない日本 今から25年前に当時朝日新聞の論説委員であった船橋洋一氏による『あえて英語公用語論』という新書が話題になった。けれども、せっかくの提言であったにもかかわらず、結果的にはかえって反対論を誘発することに … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本は準英語圏入りできるのか?」の続きを読む
トランプ政治の原点はアメリカ保守の歴史にある
(2025年5月号掲載) 4月、トランプ大統領は、相互関税で報復措置を取らない国に対し、90日間措置を停止と発表した。 保守派にとって重要な 小さな政府論 第2次政権が発足して以来、トランプ大統領の打ち出している政策はどれも分かりにくい。一見すると誰もトクをしないように見えるし、過去の大統領の誰とも違う姿勢のように思える。けれども、アメリカの長い歴史を振り返 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「トランプ政治の原点はアメリカ保守の歴史にある」の続きを読む
円安で「買い負け」が続く日本
(2025年4月号掲載) 北海道ニセコ町や長野県白馬村などでは海外資本の流入で地価が急騰。住民に影響が出ている。 不動産、ラーメン、雑貨… 生活に影響を及ぼす買い負け 昭和の時代以来、日本では円高は悪、円安は善という考え方が続いていた。まず、日本が貿易立国をうたい、自動車や電子製品などを大量に輸出していた時代には、円安の方が利益が拡大するので好都合だった。や … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「円安で「買い負け」が続く日本」の続きを読む
日米「ハーフ」と呼ぶのは差別なのか?
(2025年3月号掲載) 日本の厚生労働省の調査では、2022年の新生児100人あたり1.98人は片方の親が外国籍だった。 ハーフ、ダブル、ミックス どんな呼び方が適切か 日米の国際結婚家庭のお子さんなどを、どう呼ぶか。簡単なようで、これが難しい。まず、日米ハーフという言い方があるが、アメリカでは「ハーフ」というのは半分とか半人前というネガティブなニュアンス … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日米「ハーフ」と呼ぶのは差別なのか?」の続きを読む
103万円の壁論争 財務省は何を心配しているのか
(2025年2月号掲載) 年収103万円の壁の見直しは2025年分所得(2025年の年末調整)から始まる予定。 103万円の壁は、 何が問題だったのか 前回の総選挙の際に、自民党は大敗して現在の石破内閣は「少数与党」となっている。一方で勢力を伸ばした国民民主党は「手取りを増やす」政策が有権者から支持された。具体的には「103万円の壁」を引き上げるとして、この … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「103万円の壁論争 財務省は何を心配しているのか」の続きを読む
TVシリーズ『SHOGUN』のインパクト
(2025年1月号掲載) 『SHOGUN』のロケ地は、バンクーバー島の太平洋側。温帯雨林の森が広がり、冬は雨が激しい。 忠実に日本文化を再現 経済効果も期待できるか? 真田広之氏が制作し、主演も務めたTVシリーズ『SHOGUN』は、世界で配信されたドラマシリーズとしては歴代1位の再生回数を誇るなど大成功で続編の企画も決まっている。エミー賞では、作品賞、主演男 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「TVシリーズ『SHOGUN』のインパクト」の続きを読む
低迷する在外投票をどうするか
(2024年12月号掲載) 今回の選挙は公示が10月15日。アメリカでは16日から19日(または20日)まで在外投票ができた。 在外邦人 どれだけの人が投票しているか 10月27日、日本の衆院選が終わった。前回、2021年の衆院選では在外邦人の投票率が20.21%と低かったが、今回はさらに低くなって18.23%となった。前回はコロナ禍の中で郵便事情が悪く、日 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「低迷する在外投票をどうするか」の続きを読む
なんちゃって日本食現象を考える
(2024年11月号掲載) 2022年のJETROの調査によると、アメリカ国内の日本食レストラン数は2万3000軒を超える。 日本食の普及のため生まれた認定制度 食文化に国境はない一方で、国や文化圏が変われば嗜好が異なり、自然に味は変化する。一番の例は中華料理で、その味は国ごとに異なる。理由としては中国人は商才があるので、その国の嗜好に合わせて商売をするのが … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「なんちゃって日本食現象を考える」の続きを読む
変わりゆく日本のコメ事情
(2024年10月号掲載) 日本産米の輸出量は右肩上りで、2024年1〜7月は昨年比23%増で過去最高を記録した。 令和のコメ不足 原因はどこにあるのか この夏、日本ではコメ不足が問題になった。長い間、日本ではコメは余っていた。食文化の欧米化が進み、麺類やパンによる小麦の消費が増え、反対にコメの消費が減っていったからだ。その一方で、日米の間では日本の貿易黒字 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「変わりゆく日本のコメ事情」の続きを読む
こんなに違う日米の部活と民間委託
(2024年9月号掲載) 日本では、スポーツ庁と文化庁が中心となり、公立中学校の部活の民間委託が進んでいる。 初心者歓迎の日本と 選抜するアメリカ 日本では、教員の時間外労働を減らすために部活動(部活)の一部を民間に委託する動きが始まった。また、夏場の猛暑が年々厳しさを増す中で、甲子園の高校野球も10分間のクーリングタイムや午前と夕方に試合を行う2部制などが … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「こんなに違う日米の部活と民間委託」の続きを読む
インバウンド激増で変わる日本の空の玄関
(2024年8月号掲載) 2024年3月、羽田空港国際線の月間旅客者数は192万人を超え、過去最高記録だった。 激増する観光客 どう受け入れ、輸送するのか 海外から日本を訪れる観光客(インバウンド観光客)が急増している。2019年には年間の総数が3188万人まで拡大した後は、コロナ禍のためにいったんは「事実上ゼロ」となった。ところが、コロナ禍後になると一気に … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「インバウンド激増で変わる日本の空の玄関」の続きを読む
試行錯誤を始めた日本の働き方
(2024年7月号掲載) 日本の学生の就活の早期化が問題となり、2021年以降は政府が就活日程の指針を出している。 昭和から令和へ 変わりつつある労働環境 安倍政権時代に始まった日本の「働き方改革」では、まず長時間労働の根絶が進んだ。現在では時間外勤務への厳しい規制は運輸業界にも及んでおり、サービスを落としても労働者を守るという方針で改革が進んでいる。その一 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「試行錯誤を始めた日本の働き方」の続きを読む
高校の卒業風景、日米の違い
(2024年6月号掲載) 2024年、アメリカではFAFSAに不備があったため、申し込み期限を延長する大学が多くあった。 春に合格発表、秋に始まるアメリカの大学 5月から6月はアメリカの卒業式シーズンだ。中でも大学の卒業式は盛大だが、高校生の卒業式でも、大学と同じようにガウンと角帽で身を包み、一人一人が卒業証書を受け取るのは、明らかに人生の一つのステップにな … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「高校の卒業風景、日米の違い」の続きを読む
日本での鉄道利用、変更点に注意が必要
(2024年5月号掲載) JRパスは日本全国で使えるパス。それとは別に、JR全6社は、各地域限定のパスを販売している。 金額、見た目、ルールも大きく変わったJRパス 訪日外国人の数は年間3500万人に迫り、その勢いはすでにコロナ禍の以前を上回っている。日本行きの航空券は高値が続いているが、一旦入国してしまえば超円安の「恩恵」もあるので、これから日本への旅行や … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本での鉄道利用、変更点に注意が必要」の続きを読む
オスカーで アジア系は差別されたのか
(2024年4月号掲載) 社会的成功を収めるアジア人が増え、差別が可視化されるようになった今、次にどうすべきか。 無視や失礼な態度はアジア系だけが理由か アカデミー賞の授賞式でアジア系が差別されたのではないか?という話題があり、日本や中国などでは問題になっている。具体的には、主演女優賞を受賞したエマ・ストーンと助演男優賞のロバート・ダウニーJr.が受賞した際 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「オスカーで アジア系は差別されたのか」の続きを読む
五輪と万博が嫌いになった日本人
(2024年3月号掲載) 大阪万博は2025年4月13日から約6カ月間開催予定。開催地は大阪湾の人工島「夢州」になる。 日本人は五輪と万博が大好きだった。五輪については、1964年の東京五輪に続いて、72年には札幌での冬季五輪が開催され、98年には冬季五輪が長野でも開かれた。これらの3大会はいずれも大成功に終わり、日本の国際化やスポーツの発展に大きな成果があ … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「五輪と万博が嫌いになった日本人」の続きを読む
能登半島地震とその特殊性
(2024年2月号掲載) 地理的条件が救助や復旧の妨げに 平安時代から続いてきた輪島の朝市。朝市通りの大火では約200棟が消失。行方不明者も多い。 元日の午後4時過ぎ、最大震度7、地震全体のマグニチュードは7.6という大地震が能登半島先端部の「奥能登」を襲った。半島先端部の珠す洲ず市は地震の揺れと共に、直後に襲来した津波の甚大な被害を受けた。輪島市では、大火 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「能登半島地震とその特殊性」の続きを読む
日本人は親切心を失ったのか?
(2024年1月号掲載) 寄付やボランティア精神を堂々と表明しない日本人 CAFでは、ランキングは回答者が移民か否かや、 信仰する宗教も関係すると報告している。 アメリカで電車やバスに乗っていて、車椅子の人が下車しようとしたら、周囲の人が助けるというのは当たり前の光景だ。ベビーカーでも同様だろう。だが、日本ではこうした光景は見られない。車椅子の人が電車に乗り … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本人は親切心を失ったのか?」の続きを読む
結論が出ない日本でのタクシー論争
(2023年12月号掲載) ドライバー不足で、日本もライドシェア解禁か? 日本では、Uberのアプリはライドシェアではなく、タクシーの配車アプリとして普及している。 コロナ禍の期間に団塊世代の引退が進んだことで、日本の運輸業界では人手不足が問題化している。全国の路線バスでは、運転士不足から企業ぐるみの廃業やダイヤの削減などが起きている。より深刻なのがタクシー … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「結論が出ない日本でのタクシー論争」の続きを読む
リモート勤務が定着しなかった日本
(2023年11月号掲載) デメリットがあれど、リモートを模索し続けるアメリカ アメリカでも通常通りに出社する人は増え、再び渋滞が問題になる都市もある。 アメリカでは、コロナ禍後も日本で言うテレワーク、つまりリモート勤務が定着している。現在では100%リモートは少なくなり、全米平均では、週3日出勤で2日がリモートというのが「相場」のようだ。多くの経営者は、で … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「リモート勤務が定着しなかった日本」の続きを読む
日本の台風対策、三つの疑問
(2023年10月号掲載) 強制退避のアメリカ ギリギリまで新幹線の走る日本 日本の主要キー局は東京に集中し、地方の災害の様子は報道されにくい面もある。 地球温暖化は、日本の場合は台風被害という形で現実の脅威となっている。これに対して、気象庁や政府、地方自治体は予報の精度向上を図る一方で、防潮堤や治水工事など防災・減災対策に努力してきた。その一方で、実際に台 … »冷泉彰彦のアメリカの視点xニッポンの視点「日本の台風対策、三つの疑問」の続きを読む


